第1章 第1セット。
「・・・・・・?」
いつもマシンガントークするのに黙ったままの私に彼は不思議に思ったのか首を傾げて目線を合わせてくれた。
身長差が15cmくらいだから福ちゃんがちょっと屈んでくれる。
ちょっとした優しさ
なんとも言えない温かい感情が溢れ出てくる。
「福ちゃん、もうすぐ、1年生入ってくるね!」
入学式を先週終えた私たちはもう2年生。
今年はどんな1年生が入ってくるんだろうねって言いたかったんだけど咄嗟に出た言葉が疑問系ではないことに気づくこと0.5秒。
「あ、間違えた! 今年のバレー部はどんな1年生入ってくるのかなって」
誤魔化しつつ、気付かれないようにヘラヘラ笑ってみせる。私のバカ。
そんな当たり障りのない会話していると、私たちの通う学校が見えてきた。