第2章 第2セット。
目の前にはビショ濡れの福ちゃんと震えている二匹の子猫たち。そういえば夕方から一雨降るって天気予報では言っていたっけ。
ってそんなことじゃない!!
「た、タオル持ってくるから上がって!!」
春が始まったばかりの季節でも夜はやっぱり寒い。
部屋の暖房と床暖房をつけて、福ちゃんにバスタオルを渡して自分を拭いてもらって
私は寒そうにしている子猫たちをタオルで優しく拭きながらどこか怪我をしてないかチェックする。
幸いビショ濡れなだけで傷口などはなかった。
「福ちゃん大丈夫? よかったらお風呂入っていきなよ。」
もう一匹のビショ濡れの猫さんは部活帰りで赤いジャージが雨で濃い赤色に変わっていた。
「ッ、クシュッッ!!」
可愛らしいくしゃみをする福ちゃんに今は萌えてる場合ではなくまだ拭き途中の子猫たちを彼に預けて本日二度目のお湯を張る。
「お風呂沸いたから入ってー!」
福ちゃんの着替えはどうしようか、と聞いたところ部活用のエナメルバッグから制服を取り出す。
制服は無事濡れて無さそうなので一先ず安心する。
でも、明日も朝練だからジャージ使うよなって考えていると「ニャーッ! ニャーッ!!」と元気よく鳴く子猫たち。
「福ちゃん、今日泊まってく?」