第2章 今日は私とポッキーゲーム
「椎、おはよー」
「あーちゃんおっはよーん!」
「今日の帰りにクレープ屋いかない?
新発売の味が出たの!」
「なぬ!?どれどれ!!」
教室に入って早々
仲の良い友達が人気のクレープ屋の
チラシを見せてくる
そこには新発売!とでっかく書かれた文字と
美味しそうなクレープの写真
抹茶白玉小豆生クリーム
その商品名に私は飛びつく
「なにそれなにそれ絶対美味しい!!!」
「でしょ?」
「行くいく行きたい!今すぐ行こう!」
「ばーかこれから授業!」
「授業なんてこのクレープの前じゃ
なんの力もないね!!ほらいこう!!」
チラシを握りしめたまま
友達の腕を掴みぐいぐい引っ張ると
頭の上に何かが降ってきた
こんなことする奴は1人だけ
あ、嘘 1人じゃない
「ってぇぇぇえええ!!!」
「なーに堂々とサボる宣言してんだ?あーん?」
「はぁん!?他クラスにまで来て
女の頭に拳落とすとか暇かよ!!!」
「ぎゃんぎゃんとうるせぇ奴だ」
「お前のせいだろぉがぁぁあ!!!!」
私を見下しながらハッとか言ってやがる
くっそ腹立つムカつく
金持ちがそんなに偉いのかぁ!?
生徒会長様(笑)がなんぼのもんじゃ!!!
「よーしいい度胸だ表でろ」
「あ、それは無理です遠慮しますごめんなさい」
「早すぎでしょアンタ」
だって全国大会とか行っちゃってる
テニス部の部長だよ!?
あの跡部だよ!?喧嘩で勝てると思う!?
思う奴は絶対にバカだ!!!!
「分かったらちゃんと授業受けろよ。
もしサボってたらどうなるか分かってん
だろうな」
「へーへー」
「ちなみにサボってんのが発覚したら
お前が持ってるリュック取り上げだからな」
「はぁ!?中身の菓子とかじゃなくて
リュックごとですか!?
鬼かお前は!!悪魔かぁぁあ!!!」
「サボんなきゃいいだけだろうが」
ちっくしょう
この子を人質に取られたら
従うしかないじゃないか…
あーちゃんに泣きついたら
お前が悪いと一括された
解せぬ