第1章 プロローグ
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酔いつぶれたシオンの手を引き、自室に入る。
そしてベッドに寝かせてやるとシオンがキッドのパーカーを掴んで引き寄せ、唇が重なった。
強い香水と酒の匂いが、キッドの頭をクラクラさせる。
チュッとリップ音を響かせて唇を離すと、吐息がかかるほどの距離でシオンが口をひらいた。
「…また彼氏とダメになっちゃったんだぁアタシ」
「おれらと一緒にいるからじゃねェの」
「そんなことないよ彼氏を1番に優先させてたもん〜!」
そういうとシオンは、目から涙をこぼしながらキッドの胸に顔を埋めた。
「やっぱアタシ、キッドが1番合ってるのかも。体も心も」
シオンとは何度も体を重ねてきた。
好きだとか、そういった恋愛感情があるわけではないが、求められたら拒まないし逆に求めても拒まれない。
お互い利用してるんだろうなとは思う。
そして今日も ー 。