第3章 消えない恐怖
高校生にもなったら、みんな行事ごとなんて張り切らないのだと思っていた。
実際前の学校にいた時もサボる人たちが多かったしやる気のある人は全然いなかった。
つなぎ高の生徒たちは、普段は学校に遅刻してきたり連続で欠席したり、もともとゆるい校則すら守らなかったりする人ばかりなのだが勝負事になったら本気を出すみたいだ。
トップクラスの問題児たちもそれに当てはまるようで ー
「絶対ェおれの足引っ張るんじゃねェぞトラファルガー」
「てめェが1番体なまってんだろ?ユースタス屋」
「おまえらバスケじゃなくてバレー来いよー」
教室の後ろの方でキッドたちがなにやらもめていた。
「キッドとローは中学の時バスケ部だったからな、ウチほどじゃねェけど、去年も一昨年もバスケ選んでそこそこ活躍してたぜ」
ボニーがケタケタ笑いながら見物している。
「え、キッド君とトラファルガー君と同じ中学だったの?」
ボニーは、あれ、言ってなかったっけ?と首をかしげた。
「ウチとキッドは幼馴染だぜ?小学生の時に一緒にバスケ始めて中学まで続けてたな。ローは中学の時、男バスの応援に行った時の敵チームの中にいた」
「そ、そうなんだ…みんなすごいね…」
尚更場違いな気がしてきて、本当に出たくなくなってきた。
(絶対足手まといになるよコレ…)