第15章 赤くて熱い
【悠真】
「『普通は』こんなことしないんだよ。
・・・でも、姉ちゃんだから。
姉ちゃんだからみんな楽しいんだよ」
手に力が籠る。
なんだろな・・・最近ほんと涙もろい。
悠真くんの頭を撫でながら、こっそりと涙を流す。
この世界に、私の居場所があって良かった。
きっと全部、虹村先輩のおかげだ。
『ありがとう・・・本当に』
あのとき、先輩が居なかったら
赤司くんに助けられていなかったら
部室前で青峰と出会っていなかったら
ムッくんに支えられていなかったら
緑間くんに驚かれていなかったら
さつきちゃんと仲良くなれていなかったら
黒子くんに出会っていなかったら
この家に招いてもらわなかったら
全部、キセキだった。
まだこの世界に来て短い間だけど、多くの奇跡を体験した。
きっとわたしはこれから、
奇跡のような軌跡を残すのだろうか
・・・なんか、ポエムっぽいけど、たまにはそれもいいかな、なんて