第15章 赤くて熱い
次の日。
部活は休みで、先輩も今日は友達とカラオケに行くらしい。
だから、二人ともフリーだ
【虹村】
「・・・んじゃ行ってくるから。
戸締まりしてけよ」
『言われなくても分かってますよ!』
ふっと鼻で笑われ、殴りかかりたくなったが先輩はそそくさと外へ消えていった。
よし、じゃあ私も4時までなんかしてようかな
そういや、今日は夢ちゃんも友達と遊ぶとか言ってたな。
じゃあ、ひとりか
人ん家でひとりって、なんか常識はずれな気がするけど、まぁいっか!
『あ、そういやメモ確認しておかなきゃな
赤司くんに迷惑とか掛けたくないし』
先輩の部屋に戻ろうと階段を駆け上がる。
『────ッ!』
瞬間、くらっとする頭。
なんだろう・・・いきなり走ったせいかな
運動不足かぁ・・・ストバスでも出来たら楽しいんだろうけどー・・・
──ガチャッ
・・・・・・・ん?
【悠真】
「・・・あれ! はち姉ちゃんじゃん!
なに、どしたの?ひとり?」
『うん、先輩と夢ちゃんは遊びにいったよ』
【悠真】
「そっか! ・・・ってことは、ふたりきりか・・・」
なにをブツブツ言ってるんだろ?
『悠真くんは、サッカーしに行かないの?』
【悠真】
「・・・そのつもりだったけどー
・・・いいや、今日は姉ちゃんと一緒にいる!」
ズキューーーーーン
な、な、なんだこの可愛い生き物!
一緒にいる!
だって!!!!
んなぁーー!! かわいーー!!
お姉ちゃんうれしい!
『んん"・・・それでもいいの?
約束とかじゃない?』
【悠真】
「おう! 別にたいしたもんじゃねーし!
姉ちゃんの方が大事だしな!」
『はぅわ・・・っ!
どこまで胸キュンさせたら気が済むのっ!』
【悠真】
「姉ちゃんのこと胸キュンさせられたなら俺幸せだー」
『女の子のことからかうんじゃありません!!』
どこまでいい子なの君!
お兄ちゃんとは似ても似つかないな!
でも、これでひとりは免れたな
悠真くんと遊ぼうかな?
『悠真くん、一緒にゲームする?』
【悠真】
「まじで!?
やっと姉ちゃんと対戦できる!!」
あー、前から対戦したいって言ってたもんね
・・・・わたし、結構手強いよ?