第14章 虹の暴走
【赤司】
《───・・・駅前に行ってくれないか?》
『・・・え、あ、うん!いいよー』
一瞬フリーズ
まさかあの赤司くんに駅前に行かないか、と言われるとは・・・
でもきっと学習旅行の準備物とかのためだよね!
じゃあ、クラスのために一肌脱ぎますか!
『うん、うん・・・じゃあ明日の4時ね
わかった・・・おっけー』
プツッ──と通話が切れると、同時に、深い深い底をつきそうな溜め息が聞こえてきた。
『・・・そんなに溜め息つかなくてもいいじゃないですか』
【虹村】
「なげーんだよ。
・・・なんで女子って電話長いんだ?」
『え、知らないですよ』
チクッと、小さな小さな針が胸を掠める。
なんだろう、この気持ち?
先輩は、他の女子について知ってるの?
わたし今、比べられたの?
・・・なんかそれ、やだ
なんなの・・・わたしらしくない
【虹村】
「・・・寝るぞ」
『あ、はい!
って、ちょっ! 除け者にしないでくださいよ!』
布団に入り、習慣のようにふたり背を向ける。
これが当たり前になっていた。
そして、間には枕1個分ありそうな空間。
まぁ、当たり前だよね
だって、異性同士だよ?
くっついてるほうがおかしいって
付き合ってる訳でもないのに・・・ね
なぜかその日は、眠れなかった。