第14章 虹の暴走

『･･･あれ？　電話･･･赤司くん？』


【虹村】
「！！？」



なんと電話の相手は予想外の赤司くん。


珍しいな、赤司くんから電話とか･･･


『じゃ、ちょっと話してきますねー』


【虹村】
「･･････ちょっと待て」


『ん？』



そそくさと部屋から出ていこうとした私の腕を、先輩は掴んだ。


『え、いやでも･･･電話だし･･･』


【虹村】
「やましいことが無いんだったら別に聞かれてもいいだろ」


『え？いやでも･･･うーん･･･』


マナーとしては、通話中って席を外すもんじゃないのかなぁ


ま、いっか。
そんなに長話にはならないだろうし





『･･･はい、もしもし？』


【赤司】
《･･･ああ、はちだな》


『うんそうだよ。どうしたの？』



少し暗めの声に聞こえる。

そんなことないかな？


【赤司】
《この前、学級に張り出す紙渡しただろう？
その紙について、話しておきたいことが》


『お、わかったよー

･･･うん･･･あ、おっけー』


学級委員と副学級委員になった私達は、学習旅行のしおりを製作することになっていた。


副学級委員なんて暇なんだろうなって思ってたけど、結構仕事が多くて困る。




【赤司】
《──･･･伝えたいことは以上なんだが･･･なにか質問あるか？》



『ううん、大体わかったよ

じゃあ、明日朝イチで持ってくね』


【赤司】
《よろしく頼むよ。

･･･あぁ、そうだ》


『ん？』


メモを仕舞おうと付箋をピリリと取っていると、不意に聞こえた赤司くんの声。



先輩の眉毛がピクリと動く。

なんでだよ



【赤司】
《･･･周りに、誰もいないか？》


『え、あ･･･』


ちらりと先輩を見やったが、そのまま続けろとの指示が。


ごめん、赤司くん！！



『うん、いないよ』


【赤司】
《･･･じゃあ、言いたいことが》


『え？』


【赤司】
《･･･今度俺と》


あ、まだ俺だ。



そんな些細なことに注意していたその時。



衝撃的な･･･というか、彼の口から出てこないであろう言葉がふっと出てきた。