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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第14章 虹の暴走




外に出て、夢ちゃんが行きそうな場所を探してみる。


と、言っても。
夢ちゃんは小学生。


こんな時間に外を出歩いちゃいけないことくらい、知っているのではないだろうか。



じゃあ、よくある野良猫の餌やりとか?

野良犬の世話とか?




・・・ダメだ、考えたらキリがない。



『なんでしょうね・・・一体どこに・・・』


【虹村】
「夢・・・・・・くそっ!!!」


また音が。


この人はまた物に当たっているのだろうか。

そんな光景は見たくなかったから、先輩に背を向けたまま問いかける。



『・・・そんなんでいいんですか・・・?』



ああ?


先輩の刺々しい声。

いつもは怯むその声にも、今は怯まない。怯めない。


それはきっと、自分に絶対的自信があるから。



たまにはこういう気分も、悪くない。




『・・・あんたがそんなんでいいんですかって聞いてんです!!!』


【虹村】
「!!」



『今いちばん動揺してんのは夢ちゃんでしょ!?

なのにあんたは物に当たって発散して・・・そんなんで優しく夢ちゃんを抱きしめられるんですか!?

帰ってきた夢ちゃんに優しい言葉かけられるんですか!?』



思いの丈をぶち明ける。

もう最後の方は自分で何言ってるか分からなかったけど、それでもいい。


この人を早く目覚めさせなきゃ




『・・・お願いですから・・・落ち着いてくださいよ・・・

こんなときほど冷静になんなきゃダメでしょう・・・?』




ほら、もう懇願になってる。


目の縁が熱い。
だけど、ここで泣くわけにはいかない。




先輩は固まっている。
息をしているのかどうかも危ういほど。


お願い、目を覚まして。

ダメなんですよ、そうやって何かにあたるのは。


昔やんちゃしてたあなたならわかるはず・・・



お願い・・・落ち着いてください
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