第14章 虹の暴走
先輩は何かを訴えたいような目をしている。
わかる。わかりますよ、先輩の言いたいこと。
こんな状況で冷静になれるんだったら、願ったり叶ったりですよね
でも、そんなんじゃダメ。
覚悟を持たなきゃ。
『今』を受け入れて、冷静に考えなきゃ。
【虹村】
「・・・おう。わかった」
『・・・お願い、しますね・・・
・・・──ッ!』
がくっと力が抜けていく足。
こんなときに・・・
ほんと役立たず。
恨むよ、一生。
【虹村】
「!? なっ、どうしたんだよ!?」
こっちが聞きたい。
どうしてこんなことに・・・
足を見ると、なにも怪我はない。
かすり傷ひとつも。
だけど激しく痙攣していて、使い物にならないみたいだ。
どうしたの?
何が起きてるの?
バカ・・・バカ!
【虹村】
「・・・なんなんだよ・・・っ
もう・・・傷つけたくないんだ・・・
だから・・・っ」
何言ってるの? にじむー
『・・・もう、って・・・なんですか?』
【虹村】
「・・・なんでもねぇよ。
立てそうか?」
『いえ・・・震えてて立てそうにないです』
【虹村】
「・・・・・・わかった」
そう呟いて、わたしの背中と膝裏に手を通す。
横抱きしてくれるのか。
感謝しきれない。
でも、申し訳なく思う。
【虹村】
「──!!? おまえっ」
・・・・・・え?