第12章 消えた
翌日。
黒子くんがテストを受ける日となった。
《おまえ、なんか知ってんだろ。
俺は主将なんだから知る義務があんだ。教えろよ》
『だから・・・それは赤司くん達に聞いてくださいってば!
わたしはなにも・・・』
《嘘だろこらぁ!
昨日赤司と話してるとこ見た奴がいんだよ。・・・教えろ》
ワントーン下がった声に一瞬、喉が鳴る。
ひゅっと鳴ったが、虹村先輩には聞こえていなかったらしい。
さらにトーンが下がっていく声。
なんでそんなに怒ってんだか・・・
三井はち、只今 虹村先輩と通話中です。
用件は、まぁ会話聞いてれば分かると思うけど・・・今日のテストについてだ。
生憎、昨日の夜は先輩が帰ってくるの遅くて(っていっても八時くらいだったけど)、私は先に寝てしまった。
だから、昨日は話していない。
一切ね
そして今に至る。
『てか主将なら伝わってるはずですよ!責任もってください!』
《な、んだと・・・
主将でも赤司から言われなきゃわかんねぇんだよ!》
『へーへー、つまりは赤司くんのせいなんですね?』
《そうとは言ってねぇだろ!》
ヒートアップしそうな口論に、かたわらにいた黒子くんがオロオロし始める。
まぁ、これからテストだっていうのに、キャプテンとマネが口論してたら心配になるわな。
『とりあえず! 今から体育館向かうので準備お願いしますよー
・・・あ、あと試合形式なので選手選んどいてください』
《はぁ!? 試合形式って・・・そんな勝手に決められてもっ─プツッ──プープー》
よし、これでおっけー。
【黒子】
「まったくおっけーな感じがしませんが。」
『いいのいいの!行こうか』
すこし心配そうな顔をする黒子くんに、なるべく緊張がほどけるように、微笑みかける。
私の微笑みに効果はないと思うが、一応ね一応