第11章 消えていきそうだ
『──赤司くん』
【赤司】
「はちだね。どうしたんだ?」
今日は部活が休みだったため、赤司くんのクラスまで行って彼を呼ぶ。
『赤司様』に声をかけてるからか、やっぱり視線が嫌に多いけど・・・
今は気にしてる場合じゃないね
『・・・黒子くんが、答えを出したって言ってる』
おや、という顔をしている赤司くん。
彼も、こんなに早く答えを見つけ出すとは思っていなかったのだろう。
【赤司】
「・・・三ヶ月ぶりだね。
その後、調子はどうだ?」
【黒子】
「・・・はい。おかげさまで見つけ出せた気がします。
なので──」
【赤司】
「───いいだろう。明日、テストしようじゃないか。
放課後、一軍の体育館に来てくれ」
それだけいい、荷物をもって帰ろうとする赤司くん。
【黒子】
「・・・すみません」
【赤司】
「なんだい?」
【黒子】
「・・・可能ならば、試合形式で見てもらえないでしょうか」
黒子くんの爆弾発言に、赤司くんはやや目を見開く。
【赤司】
「・・・いいだろう。ではまた」
『・・・あ、赤司くん。私も一緒に帰るよ』
確か、黒子くんは委員会があるって言ってたな。
赤司くんの承諾を得て、黒子くんに向き直る。
彼の目は、もうただの三軍バスケプレイヤーじゃない。
この瞬間から『帝光バスケ部・幻の6人目』だったのかもしれない。
黒子くんを見送り、赤司くんのとなりに並ぶ。
赤司くんは、いつになく清々しい顔をしていた。
【赤司】
「・・・ありがとう」
『え?』
【赤司】
「いろいろ言ってくれたんだろう?
彼がここまで登ってこれたのも、君のおかげだ。礼を言うよ」
『なんもしてないよ。
・・・黒子くんの才能だから』
明日、黒子くんの運命が決まる。
ここまで原作が狂いに狂っているけど、この調子でキセキたちを助けられるんだろうか。