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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第10章 どうしますか?



【虹村父】
「・・・お前は、主将を交代する予定だったのか」


その物言いは、問いかけでも疑問でもない。


確信だった。



・・・あれ?前もこんなことあったよね?





【虹村】
「・・・ああ」


ばつが悪そうな顔を・・・せずに、先輩は真っ直ぐお父さんを見つめる。


どちらも譲らぬ真っ直ぐな視線だった。



【虹村】
「当たり前だろ。親父がこんななのに、集中して部員をまとめられるか」



ごもっとも


そう思うしかなかった。

この時点で、私に発言権はない。


【虹村父】
「・・・そうか。」



ふぅ・・・と溜め息が聞こえた。


無意識的な緊張感が辺りを埋め尽くしていたのだ。



【虹村父】
「・・・父さんは、お前が熱中していることを邪魔する理由にはなりたくない」




その緊張感を増幅させる一言。


これもごもっともな、親としての意見だった。



【虹村】
「ッ・・・」



先輩が息を呑む。


なにか言いたげな目で訴えかけている。



【虹村父】
「・・・お前は昔、結構なやんちゃをしてたよな。


でも、止めようとは思わなかった。

さすがに、大怪我をするほどのやんちゃは止めに行ったけどな。



・・・でもな、父さんはお前から人生を奪いたくない。

ましてや、その理由になるなんてな。



お前はお前のやりたいことをやれ。

今さら親孝行なんか要らねぇよ


バスケを諦めるのは、立派な親不孝だ」






かっこいい

さすが父親


先輩は無意識なのか涙を流して、それを拭おうともしていない。



でも、見ていて嫌な涙じゃない。



むしろ、見惚れるほど綺麗な涙だった。





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