第7章 赤の心
【赤司】
「・・・ち・・・・はち」
遠くから、神谷さん・・・じゃなくて赤司くんの声が聞こえてくる。
『う・・・もう朝か・・・』
もう既に身支度を終わらせている赤司さん。
ほんとに行動が速いね、君は
『あれ?今日も部活?』
【赤司】
「最近は毎日だよ。それより、あと30分くらいなんだが、準備できるか?」
『え、マジか。すぐ準備します』
そうしてくれると助かる、とキリッとした顔で言われる。
【赤司】
「・・・こんなにも寝起きが悪いとは」
彼が、アザのできた手の甲をさすりながらそう言っていたことを、私は知らなかった。
『──おっはよーございまーす!』
元気よくハツラツと。
そう心得て体育館の扉を開けた。
【青峰】
「うげ、さつき以上にうるせー奴とか無理だわ」
【緑間】
「静かにするのだよ。三井。」
【紫原】
「んー、いきなりなにー?」
・・・めっちゃ言われてるんですけど。
【桃井】
「はちちゃん!おっはよー!」
『・・・もう私にはさつきちゃんしかいなーい!』
がばっとさつきちゃんに抱きつく。
ふんわり桃の香りがした。
【桃井】
「わわっ!どうしたの?なんかあった?
・・・まさか・・・大ちゃんたち、なんかしたの!?」
はちちゃんいじめるやつ、許さないからね!とプンプン怒っている。
はぁ、天使だわ。女神だわ。
勝利の女神降臨だわ。
『そーだそーだ!
・・・いじめるやつは、さつきちゃん作のスポドリ飲ませてやるからね』
「 「 「!!?」 」 」
【桃井】
「は、はちちゃん・・・?」
『あ、ごめんねさつきちゃん
世界一不味いスポドリお願い!』
【桃井】
「・・・あ、そういうことね!
おっけー、いつもより気合い入れて作るよ!」
【青峰】
「や、やめとけさつき!死人が出る前に!」
【緑間】
「そ、そうなのだよ!
三井!お前なに勝手なことを・・・」
『・・・・・・・・・ふはっ』
【緑間】
「!!!?」