第6章 色彩豊か
その原因が、こういう気持ちからなら、私は何としてでもそれを阻止したい。
例え、無理だとしても。
赤司くんの寂しさを、埋められるものを見つけてあげたい。
『・・・ふ~、ありがと~
気持ちよかったよー』
【赤司】
「そうか。それじゃあ、夕飯を食べよう」
『うわ!すごいねこれ!』
机に並べられているのは、どこぞの料理店よりも美味しそうなシチュー。
やばい、お腹鳴るわこれ・・・
『~ッ!じゃあ!』
「「いただきます」!」
赤司くんがお風呂にいった。
そういえばこの部屋も、あまり生活感がないな
この家はどうも、家庭的ではない。
失礼かもしれないけど、家族の暖かみを上回る冷たい空気が流れていた。
・・・・・・ん?
部屋を見渡していると、棚に置かれた写真に目が止まった。
この家の使用人の人が撮ったのだろうか。
まだ子供らしい赤司くんにボールを渡す、女の人が写っていた。
これが、お母さん・・・?
後ろ姿だから顔は見えないけど、赤司くんと同じ、綺麗な赤色の髪をしている。
それに・・・
ボールを渡されて、とても嬉しそうな赤司くん。
幸せな親子そのものだった。
その親子を見て、無意識に手を合わしていた。
『──赤司くんのお母さん』