第6章 色彩豊か
『私も手伝うよー』
【赤司】
「いやいいよ。ゆっくりしていてくれ」
そう言われてもなぁ・・・なんかこう、落ち着かない、というか。
テレビから聞こえてくる芸人の笑い声が、嫌というほど響いている。
【赤司】
「・・・なにもすることがないなら、風呂に入ってきてもいいよ?」
『え、いいの!?
じゃあ、行ってきまーす』
【赤司】
「ああ。廊下に出てそこら辺にいるメイドにでも聞いてくれ」
メイド・・・いいなぁ、メイドー
はっ!
メイドはメンドー、キタコレ!?ってやつ!?
・・・・・・・何してんだ
ここに伊月さんがいればキタコレだったのかなぁ・・・
ま、いいやっ!お風呂いこ~
ポッカーーン
この音は、世にいう竹のポッカーンっていうやつじゃない。
そう、私の心の音だ。
『広っ!!!!!?』
浴槽にいる、マーライオン的なアレ。
シャワーのでかさが尋常じゃない。
てか、プールくらいあるんじゃないの?この湯船。
温泉を連想させるほどのお風呂場に、驚きと共に好奇心が沸き上がる。
でも、
こんな広い風呂場に一人で入る心情って、寂しいんじゃないかな
こう、初めてとかなら話は違うかもしれないけど。
毎日毎日はいってる赤司くんからしたら、これって、寂しいのうちに入るんじゃないかな。
だから、私を招いたとか
あと少しすれば、彼は彼じゃなくなる。