第41章 どうしようもなく好きだったから。
・・・なにそれ。
ほんと、父親失格・・・だよ。
遅すぎだよ、
わたしのこと、最初好きじゃなかったんだ。
遅すぎ。
・・・こうでもして悪態をついていないと
変になりそうだった。
涙をこらえて、
口を引き結んだ。
こんな震えた字で書いてるし、
所々、漢字間違えてるし。
・・・なのに、
・・・・・・とっても、嬉しかった。
お父さんに、会いたくなった。
今会ったらきっと、
悪口しか言えないし、泣き喚くだろうけど、
そうしてお父さんの胸の中に飛び込みたかった。
お父さんの腕の中で泣きたかった。
なんで、どうでもいいときにいつもいたの。
いつもそうだよ、
わたしが学校で喧嘩して泣いてたとき
お父さん家にいなかった。
なのに、
ひとりになりたいなって時に限って
いつも家にいたんだ。
どうして、
どうしてそういうときばっかりいるの。
どうして、
今、お父さんいないの。
こんな手紙、残さないでよ。
残された方の気持ち、考えてよ。
泣きたい、ってこういうことなんだよ
大切で大好きな人がいないって、
どうしようもなく辛いんだよ。