第40章 終わりへの扉
どれくらいそうしていただろう。
そろそろふたりとも恥ずかしくなってきて、慌てて離れた。
ひえー、やばいわたし今めっちゃ赤いって!
頬を押さえて落ち着かせる。
ぱたはたと扇いでいる先輩の顔も、赤い。
そしておもむろに頭をガシガシと掻いて、こちらを睨んだ。
・・・でも今の先輩は・・・怖くない。
『・・・先輩。そんな顔赤くしたまま睨んでも怖くないですよ』
【虹村】
「うっせ」
そっぽを向く。
そうやっていっつも、そっぽ向くんだ。
それにむっとして、わたしもそっぽ向いてみた。
【虹村】
「・・・おい。」
『・・・』
【虹村】
「・・・はち。」
『・・・』
【虹村】
「・・・。」
『・・・』
【虹村】
「・・・結婚、してくれ」
『ごふっ!!!?』
慌てて先輩の方を向いた。
顔を真っ赤にして、真っ直ぐ見つめてくる。
慌てて顔を逸らしそうになった。
『・・・っ!ん』
でも、それも叶わず。
塞がれてしまった、先輩の口で。
『・・・っは・・・ちょ、』
【虹村】
「・・・俺、アメリカ行くんだよ。
引退したら、すぐ。」
『え、』
あれ、原作では卒業後じゃなかったっけ・・・?
【虹村】
「だから、お前についてきて欲しいんだ」
『え・・・』
きっと、わたしも顔真っ赤。
それでも、そんなこと気にしていられなかった。
【虹村】
「・・・頼む。
俺と、結婚してくれ。」
──つっても、まだ結婚できねぇけどな。
頬を掻いて赤くなる先輩。
ずるい、ずるすぎる。
そんなの、答えは決まってるって。
『───うん』