• テキストサイズ

【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第40章 終わりへの扉


─────────────────
────────



先輩が追い払って、赤司くんがみんなを連れ出して、ふたりきりになってしまった。

どっからか、缶のジュースを出してくれる。
それを受け取って、お礼を言って、言葉が止まった。


『・・・先輩。』

【虹村】
「んあ?」

ジュースを飲みながら応えてくれる。
その目は、窓の外の夕日を見つめていた、と思う。


『・・・先輩は、』


【虹村】
「好きだ。」


・・・

・・・・・・えっ?


【虹村】
「どうせお前いま、『今のわたしのこと、本当に好きですか?』みてーなこと訊こうとしてたんだろ。」

『え、あ、』

図星過ぎて何も言えない。


【虹村】
「なにバカなこと訊こーとしてんだよ、バカ。」

『ば、バカって!』


「ほっ」と座っていた机から降りて、先輩は窓辺にいく。

飲みかけのジュースは置いていったままだ。


【虹村】
「俺の気持ちは変わんねぇ。
お前がもし俺を嫌いになっても、ぜってぇ離さねぇから。」



微笑んで、またすぐそっぽを向く先輩。

その姿に、もう抑えられなくなって、先輩の背中に飛び付いた。


【虹村】
「う、おっ!?」


よろけながら、驚いた声をあげる先輩。

よろけた拍子に頭をぶつけたらしく、こちらに向かって怒鳴ってきた。


【虹村】
「あぶねーな!おまえ、もうちっと加減を、」

『あの』と、遮ってみる。


『わたしが、先輩を嫌いになるなんて、きっと一生ないですから。』


ちゃんと笑えたか分からないけど、精一杯笑ってみた。


【虹村】
「・・・おう、知ってる。」


なんですかそれー、と茶化してみるけど、先輩は真剣顔だ。


そして、その顔のままわたしを正面から抱き締めてくれる。


『・・・そんな顔で抱き締められたらめっちゃ怖いんですけど。』


【虹村】
「うっせーな!抑えてんだから黙っとけ」


ふわっと先輩の香り。
そしてわたしからも同じ香り。

それがものすごく、嬉しいよ。

/ 342ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp