第40章 終わりへの扉
それに、
彼は口を開く。
【赤司】
「俺たちは───今のはちも、前のはちも、」
ああ、
その言葉の先、言わないでよ。
聞いたらきっと───
【赤司】
「───大好き、だからな」
────泣いてしまう。
案の定、伝う涙。
なんだろう、苦しい。
でも、あったかい。
胸がきゅうと締め付けられて、
息をするのも困難で。
それなのに、あったかい。
心が、言葉が、世界が。
あったかい光に包まれているように思える。
【赤司】
「・・・最初は戸惑うこともあったかもしれない。・・・だが。
俺たちはずっと、お前が大好きだよ」
その言葉、信じちゃうよ。
わたし、ガラスのハートになってたから。
いつのまにか、豆腐メンタルのガラスのハートになってしまってた。
情けないし、みっともない。
みんなが「かっこいい」って言ってくれるような『三井はち』は居ない。
でも、それでも。それなのに・・・
『・・・こんなわたしを、好きになってくれたの・・・?』
大切にしてくれたの?
大事って思ってくれてたの?
【赤司】
「・・・ああ。」
───────────そっか。
滑稽なわたしも、
自分が大嫌いなわたしも、
あなたたちに優しくできないわたしも、
全部全部、好きになってくれたんだね
全部、ひっくるめてくれたんだね。
全部、包んで笑ってくれたんだね。
・・・・・・ああ、こんなにも嬉しい。
今だけ、今だけなら、
自分をすこしは好きになれるかもしれない。
【赤司】
「─────だろう?
────・・・お前ら。」