第40章 終わりへの扉
───・・・こうなったら。
退いてくれ、赤司くん・・・!!!
【赤司】
「────!!!」
『っ!』
彼の脇をすり抜けようとした、
のに。
あっさりと捕まってしまった。
彼もバスケ部。
こんな簡単に抜かれてしまったら名が廃る、のかな?
【赤司】
「・・・一応これでもバスケ部だ。
しかも副部長。」
『さらっと自慢すんなよ』
ドヤ!
と、効果音がしそうなほど
ニンマリとしている赤司さん。
『・・・はぁ。』
【赤司】
「ほら。やっぱり悩んでるんだろう?
言ってみろ」
『いやこの溜め息はあなたに対してですから!』
まったく・・・バカなのか?
アホなのか?勉強ができるアホか?
赤司家の跡取りがこれでいいんすか。
『・・・ねぇ、もうすぐで授業はじまるよ』
【赤司】
「別にいいよ。」
・・・よくねーよ。
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結局、チャイムが鳴っても離してくれなかった赤司さん。
仕方なく、生徒会室を開けてもらった。
赤司家の力?で、なんか開けてもらえた(?)。
『恐るべし赤司・・・。』
【赤司】
「なんのことだ?」
カーテンが閉めきられている部屋。
赤司くんは窓を開けた。
そして、いそいそと椅子を引っ張ってきて、わたしの目の前に置いた。
【赤司】
「さて。話してくれ。」
『ここまでして話すことでもないんだけどね・・・。』
だけどまぁ、仕方ない。
わたしも彼も椅子に座って、
『・・・わたし、自分のことがどうしても好きになれない。』
ゆっくりと、語りだした。
わたしの・・・悩みと言えるか分からないけど、悩み。
時々、『わたし』は取り残されているような感覚がする。
『私』がみんなと過ごした時間、と
『わたし』がみんなと過ごした時間は
まったくもって別物で。
みんなは、昔のわたしの方がよかったよね、って。
そう思うことばっかり。
戻ってあげなきゃ、って思っても、
前の私に戻らなきゃ、って思っても、
寝ても起きても、
なんにも、変わらない。
それって、すごく虚しいことなんだよ。
そのうち、自分さえ嫌になって、消えればいいのかなって、そんなことばっかり・・・。
みんなが『わたし』を最初に見た時のあの目───。