第38章 ほ、本編とか、し、知りませんー;
──in体育館───────────
「遅いッスね~
青峰っちも、はちっちも。」
汗だくになったシャツをパタパタしながら、
シャララオーラを醸し出す黄瀬涼太は呟く。
(赤司っちが何か言ってからどっか行っちゃって・・・
ふたりして遊んでるんスかね!?)
そういう考えになった途端、
いてもたってもいられなくなる。
「赤司っち!キャプテン!
はちっちたち探してくるッス!」
【赤司】
「!? おい・・・黄瀬!」
【虹村】
「はぁ!? 次から次へと・・・
帰ってきたら説教だからな!!」
後ろから怒鳴り声が聞こえてくる。
(でもっ、はちっちの緊急事態なんスよ~!)
勝手にそう決めて、
黄瀬涼太は走る。
校舎を走り回って、
せっかく拭いた汗を流して。
下校中の女子に会っても、
いつもの彼とは違いまさかのスルー。
行き先はもう決まっている。
悩む必要なんかない。
(どんだけ一緒に過ごしていたと
思っているんスか!)
放課後も
部活後も
下校中も
休みの日も
大会の日も
ずっと憧れて
ずっと見てきて
ずっと一緒に過ごして来たのは
多分彼なのだろう。