第38章 ほ、本編とか、し、知りませんー;
青峰を見つめる。
目を閉じてるこいつは
わたしの視線に気がついていないらしい。
『・・・それなら、よかった。』
嫌でも楽しい、か。
それって
切なくて虚しくて
温かい言葉、だ。
そう思った。
【青峰】
「・・・俺は、」
ビュゥゥッ
と。
風が吹き乱れる。
青峰は何か言いそうになって、
また口と目を閉じた。
『・・・なに?』
【青峰】
「・・・なんでもね。」
なによー。
そう言って茶化してみても
青峰は笑わない。つまらない。
あの青峰はどこに行ったのかな。
『・・・ねー、青峰』
【青峰】
「今度はなんだよ。」
『・・・青峰の道ってさ
まだ、消えてない?』
【青峰】
「・・・あ?」
わたしの道はもう歩けないほど狭くなっている、はず。
でも、それでも
見失わなければ
ずっと歩いていける。
そう信じてる。
【青峰】
「・・・どーだかな」
やっぱり答えは素っ気ない。
でもね
わたし、見ちゃったよ、青峰。
君が小さく微笑んでいるの。
だから、少し・・・少しだけ、
期待しても良いかな。
青峰の道は消えてない、って
まだ見失ってない、って
そう信じて、いいかな。
【青峰】
「・・・俺は、」
また聞こえる。
低い声。
わたしには出せない低い声。
【青峰】
「・・・あいつらと世界の終わりの一瞬まで居てぇよ。」
『・・・大袈裟じゃない?』
【青峰】
「世界が終わるってことも忘れさせてくれると思うんだよ、あいつらは。
その最後の一瞬まで、
あいつらとバスケして、
黄瀬と向かい合って、
赤司に転ばされて、
紫原に止められて、
緑間にイラついて、
テツと口喧嘩して、
そんで・・・笑っててぇんだよ」
『・・・わたしも』
あぁ、もっと信じればよかったんだ。
あの子達のこと。
あの子達のバスケを。
それが
わたしが今までしてきたことで、
わたしが今まで忘れていたことだ。