第37章 ようやく出てくる答え
・・・でも、俺は・・・
【赤司】
「悩んでる暇なんか無いですよ。
またどこかへ行ってしまう前に、早く。」
・・・こいつ、エスパーなのかよ。
見透かしたようなこと言いやがって。
俺のことなんも分かってねーくせに。
俺とはちの関係を何も知らねーくせに。
・・・なのに。
なのに、なんでだろうな。
足が動く。
心を揺らす。
背中を押されてる気さえしてしまう。
「・・・ああ。」
これが、本来の赤司の力なんだろうな
頷いた赤司に、頷き返す。
【赤司】
「・・・俺が入る隙なんて
元から無かったな」
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あいつの姿がねぇ。
走っても走っても、見つからない。
「っあ!桃井!」
【桃井】
「えっ?」
肩を掴み、揺さぶる。
【桃井】
「あばばばば」
「はち、見たか!!!?」
【桃井】
「ちょ、止め・・・は、はちちゃん、なら、部室、に・・・」
「わかった!さんきゅ!」
短くお礼の言葉を言ってまた走る。
外まで出てきちまった。
軽く舌打ちし、溜め息がこぼれる。
こういうときに限って
お前はいつもいないよな。
儚くて、小さくて、切ない。
そんな、存在だったな。
でも俺、そんなお前を
「好きになったんだよ、アホ・・・」
───いたっ!!!
「は、ちぃぃぃぃ!!!」
『っえ!?』
月バスを片付けていたはちに叫ぶ。
肩をビクつかせて仰け反っている。
『せ、先輩!?』
目が揺らいでいる。
この場にいていいのか、
逃げ出したいのか。
視線を逸らして、目を合わせようともしねぇ。
「・・・はち」
『・・・何か用ですか』
冷たい返し。
いや、当然だと思う。自業自得だ。
想定内だよ、驚かねぇ。
「・・・こっち、見ねぇのかよ」
『・・・先輩が見ないって言ったんじゃないですか。』
そりゃそうだな。
俺も過去の自分恨むわ。
「・・・あったり前だろ」
『・・・え?』
少し、こちらを見た。
その視線を外させないように、
見つめてやる。
「・・・好きな女の目を、
そう簡単に見つめられるかよ。」