第37章 ようやく出てくる答え
『・・・え・・・』
今度は確実に揺らぐ目。
思わず逸らしちまったけど
俺にしては良くできたほう・・・だよな?
「おおお俺はもう言ったからなっ
もう一回はねぇからな!!」
情けねぇ。
顔赤いし、噛みまくるし。
こんな格好悪いやつ、
こいつが好きにならねぇのも納得できるわ。
・・・いや、もうやめよう。
腹をくくれ。
目、見ろ。
なんのために走ったんだよ、
練習ほっぽって。
そろりと後ろを向くt
「うおっ!?」
・・・ビックリしたぁぁあ
効果音がしそうなくらい勢いよく、
抱きついてきやがった。
体制崩しそうになったけど
ギリセーフ。
「な、なんだ、」
『せ、先輩・・・あの』
よそよそしい。
こんなの、お前らしくねぇよ。
「・・・言いたいことあるなら言えよ。
なんでも聞いてやるから」
『・・・え、あ、えっと』
視線が泳ぐ。
さっきのような気まずさはなく、
おれもじーっとこいつを見つめる。
『わ、わたしも、』
ぐいっと襟が引っ張られる。
よほど言うのが恥ずかしかったのか、
耳元まで口を寄せて言われる言葉。
俺と同じ言葉。
『・・・好き、です』
「・・・知ってた、バカ。」
向き合う、なんて芸当できるはずがなく。
そっぽ向いたまま、
暴言を小さく呟いた。
『で、でも・・・わたし、』
そこまで呟いて、口をつぐむ。
「・・・なんだよ?」
『・・・その、
・・・処・・・・・・・・・じゃないし!!』
語尾は消えていたが
なんとなくわかった。
「気にするかよ、んなもん。
これから上書きなんどもできんだろ」
『なっ・・・!?』
ぼんっと赤くなる。
・・・・・・あ、
えげつねーこと言っちまった。
ま、いいか。
こいつとなら
なんでもできる気がするしな。