第37章 ようやく出てくる答え
───赤司side──────────
微笑んでいる彼女の笑顔が
少し、残酷に見える。
「・・・どういたしまして。」
そう微笑みかえす俺も
立派な残酷者だろうか。
視界に映る虹村さんの顔が歪んでいた。
・・・。
・・・大方、虹村さん自身が
「赤司が運んだ」とでも伝えたのだろう。
傷つくのなら
そんな嘘やめればいいのに。
・・・と思っていた俺はいない。
わかるから
好きな人を幸せにさせるためなら
自分に嘘くらい平気でつけると。
だから、何も言えない。
こんな俺は芯の底から残酷だろうか。
「・・・虹村さん。」
そんな残酷者の俺は
歪みきっている表情の男に
笑顔で話しかける。
「・・・素直になれよ。」