第37章 ようやく出てくる答え
───桃井side──────────
廊下の奥から歩いてきた人物に
一瞬怯んでしまった。
「に・・・虹村さん!?」
歩いてきたのはなんとキャプテン。
背中に誰か乗っていた。
わたしは、その″誰か″が
はちちゃんであることを
どこかで願っていた。
だって、虹村さんの背中に乗っていいのは
はちちゃんだけだもん。
・・・って、違う違う!
何があったんだろ?
【虹村】
「おう、桃井か。
はちが階段から落ちそうになってたからな、助けたんだよ」
「そうだったんですね!
怪我、ないですか?」
【虹村】
「ああ、無傷だ」
その報告に安堵して
はちちゃんの顔色を伺う。
少し汗が滲んでいるけど、
具合が悪そうではない。
大丈夫、かな
「保健室に連れていくんですね。
一緒にいきます」
【虹村】
「・・・あぁ。助かる」
はちちゃんをベッドに寝かせ、
額の上に濡れタオルを乗せる。
さっきより火照ってるみたいだから
冷ましてあげないと。
【虹村】
「・・・じゃ、頼むわ。」
『えっ・・・』
背中を向けて立ち去ろうとした虹村さんに内心驚く。
だって・・・えっ・・・なんで・・・っ?
「な、なんでですかっ
虹村さんが居てあげないと・・・」
【虹村】
「俺が居ても居なくても変わんねーよ。
お前が居てやったほうが
こいつも気楽だろ。」
有無を言わせない威圧がある。
思わず言葉を呑み込んでしまった。
「ど、うして・・・」
最近、おかしい・・・
なんで、二人してお互いを避けてるの・・・?
周りには関係ない、って
迷惑かけてない、って
思ってるのかもしれないけど、
「・・・間違ってますよ!!!」
【虹村】
「!!!!?」
肩が跳ねて
弾かれたように振り返られる。
私の目には
少し驚いたような虹村さんがいた。
目があった。
怖い、なんて感情、もうない。
だってふたりとも間違ってるんだもん。
絶対、おかしいんだもん。
私たち、関係なくなんてない。
迷惑、いっぱいかかってるもん。
どんだけこっちが心配してると思ってるの・・・?
「・・・お願いだから・・・っ
自分に嘘だけは、つかないでください・・・っ」