第6章 色彩豊か
【虹村】
「・・・・・・あっ!?おいお前、どこ行ってたんだよ」
『部室の掃除してましたねー』
【虹村】
「・・・・・・先輩への態度、改めろよ」
にじむーに言われたくない
と、可愛い子ぶって頬を膨らませると、ブプーッとしぼめられた。
【虹村】
「今なんつった?ああ?」
『ひいっ・・・冗談れす冗談!』
ひっ、噛んじった!
だって、現世でも目付き悪いとは聞いてたけど・・・やっぱ本場は違う。
めっちゃこわい。正直に言うとね・・・
『あ、先輩なんですか?』
【虹村】
「は?なにが」
『緑間くんが探してたって』
空耳じゃなかったら、絶対に言ってた。
にじむーが私を探すなんて早々無いからからかってやろうと思ってたのに。
【虹村】
「・・・・・・ん、あぁ。今日はお前どうすん」
『あっ、赤司くん~』
【虹村】
「人の話聞けよおらぁ!!」
虹村先輩がゴニョゴニョ言ってるんだもん
聞き取れなかったんです、はい
にじむーが盛大に溜め息をついているなか、私は赤司くんに話しかけた。
『赤司くん、どうしたの?』
【赤司】
「特に意味はないさ。・・・いや、あったな」
『どっちですか』
あるよ、ともう一度呟いた赤司くんは、ちょいちょいと手招きする。
『なに?』
【赤司】
「昨日、虹村さんと帰っているところを見てね。理由を訊きに来たんだ」
『ああー・・・』
見てたんだね・・・
んー、何て言えば・・・
『・・・昨日は、その・・・ちょっと家に帰れない用事があって・・・だから、にじむーら先輩の家にお邪魔してたの』
うわー・・・我ながら下手くそだな
伝わったかな?
【赤司】
「・・・・・・・なるほどね」
あー絶対伝わってなかったよね
今の間ってそういう意味だよね
まるで二次元のように(二次元だけど)、る~と涙を流す。
うわお、こんなに綺麗に流れるんだ。涙。
【赤司】
「・・・それじゃあ今日は帰れるのか?」
『いっ、や・・・それは・・・』
何て言えばいいんだろう・・・
にじむー助けて!いつまで溜め息ついてるんですかあなたは!
【赤司】
「・・・それじゃあ、うちに来るかい?」
・・・・・・・・・
・・・・・え?