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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第36章 身近なモノ





────そして。




独自のルール(身勝手なのは承知)で進められていった 1on1。



もちのろん、勝ったのはわたしだ。






【青峰】
「・・・。」


『やった勝ったーー!』


【青峰】
「・・・ツッコミどころありすぎて言葉が出ねぇよ」



ぶつぶつと口を尖らせながら文句を言う青峰。

なんだよー、勝ったのに変わりはない!



ボールを抱えて、青峰の横に寝転ぶ。



雲が流れるのが分かるほど、風が強かった。




『・・・風のせいにしてスカート覗こうとしないで』


【青峰】
「・・・ばれたか」


バレバレだわアホ!


ひらひら揺らめくスカートを押さえて、目を細める。


遥か上空では、飛行機が飛んでいた。
雲が一直線に連なる。
まっすぐに、まっすぐに。


・・・真っ直ぐすぎて、誰かに避けられることも知らずに。




そう・・・ひねくれ者は嫌われると言うけど、真っ直ぐな子も嫌われる。

所詮、そんな世の中なのだ。

取り返しはつかない。
そんな世の中なのだ。



『・・・青峰ー』


【青峰】
「なんだよー。」


『・・・ありがとう』



は?

って、声が響く。
そんな小さな声さえ、響く。





『・・・待っててくれて、ありがとう』





チームメイトなら当たり前なのかな?
わたしにはそんな存在いなかったから、じんわりとあったかい気持ちになっていく。

わたしの小さな声も響いただろうか。


わたしの耳に響いたように、青峰の耳にも響いただろうか。






でも、伝えたいんだ。

聞こえてなかったなら、何度でも言うから。

待っててくれて、ありがとう。





【青峰】
「・・・頭打ったのかおまえ?」


『はい?』



【青峰】
「お前がそんなこと言うなんて!!」



『・・・はい?』




あ、やばい。
目がどんどん白けたものになってく気がする。

でも絶対白けてるわ、わたしの目。














・・・何言ってんの、こいつ
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