第36章 身近なモノ
ゴン!
【青峰】
「・・・っ~!」
寝転んでいる青峰の顔面にボールを落とす。
いつの日かの復讐だ。
『くだらないことばっか言ってないでそろそろどっかいこ!』
【青峰】
「んあー? つーか今何時だ?」
腕時計を見るとちょうど昼休みだった。
どうりでさっきから腹の虫が鳴るわけだ。
『もうお昼だー。
早く食堂いこう! そんで一緒に食べよ』
【青峰】
「・・・席空いてんのかな」
『空いてなかったらここで食べよ。
パンで充分だし』
───────────────
─────────
そんなこんなで食堂なう。
ラッキーなことに席はがら空きだった。
ありえないほどに。
『なんでこんなに空いてんだろーね』
【青峰】
「そういや今日、なんかあった気がすんだけど」
『えー、なにー?』
【青峰】
「いや、覚えてねぇわ」
青峰らしいな、こういうの。
カレーを頬張りながら、口の回りを汚しながら、笑顔になる青峰さん。
・・・なにニヤニヤしてんの?
『・・・なに』
【青峰】
「・・・いや。
つーかよ、キャプテンとなんかあったのか?」
『え?』
突然すぎてむせそうになる。
急になんだよ。
『・・・なんかあったっていうか・・・
・・・この眼、変わったでしょ?』
【青峰】
「うおっ! まじだ!」
『今さら!?』
何も言ってこないから分かってないのかな・・・いやまさかね
みたいに思ってたけど、まじかよ
・・・あれ、ってことはみんな分かってないのかね??
『この眼、少し特殊みたいな感じなんだけど・・・この通り琥珀色だし、【わたしの中の何か】も変わったみたいでさ』
【青峰】
「・・・ふーん」
わかってないな。
『それを知った先輩が、【お前の眼はもう見れねぇよ】って』
【青峰】
「なんでだよ? 俺見れるぞ」
『・・・わたしも知らないけど』
ほんとわからない。
どういうことなんだろ。
『・・・あー話変わってた。
・・・だからそれで、距離が出来たんです』
【青峰】
「・・・なんでだよ?」
『いや、しらない』
心底わかってないみたいだ。
青峰らしい。