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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第35章 新戦力







風が吹く。


朝練という名のものから帰ってきたわたしは、教室でひとり寝ていた。




昨日の夜は、この眼について思い出して書き殴ってたから。






窓が開いていたのか、前髪が揺れているのが分かった。

あったかいなぁ・・・



・・・・・・




・・・え?






・・・温かいって・・・なんで!?







え、ちょ、なんであったかいの!?

しかもなんか頭重いし!

あ、新手の金縛り?
最近のやつは頭からなる派??






「・・・ごめん。」









声。

何度も何度も聞いた声。

心地いい声。

すこし低いトーン。

何度も何度も感じた声。



忘れるわけがない、声。







【虹村】
「・・・お前の目ぇ見て、やっぱ綺麗って思った。

でも・・・」




言い終える前に、ぐっと顔を上げる。

咄嗟のことで驚いたのか、帝光中バスケ部のキャプテンは無抵抗だ。






その手を掴んで、引き寄せる。

あっけなかった。

あんなに何度も何度も苦戦したギューも、あっけなく出来た。




起きてたのか、とも訊かれない。

その先の言葉も、聞こえない。



懐かしい香りと、懐かしい温度と、懐かしい感触が、そんなもの、吹き飛ばしていた。



『・・・っ』





でも、それも惨めで。





すぐに離させられて、椅子に強く背中を打ちつけた。


痛い、痛い。でも、


心が叫んでる。


痛いって、そう叫んでる。





教室はまたひとりになって、状況を理解する前に先輩は出ていったようだ。















・・・なによ。
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