第35章 新戦力
次の日から、また登校するようになったわたし。
そう、昨日は休んじゃったのでね・・・
【黄瀬】
「───ふぁっちぃっちーーーー!」
体育館に入った瞬間にホールド。
い、息が・・・
『ちょ、涼太、さ、ん』
【黄瀬】
「なんで昨日休んだんスか!」
ぐっと、息が詰まった。
それは、ホールドされてるからじゃなくて、涼太のその言葉によって。
『そ、れは・・・』
【桃井】
「はちちゃん! やっときたね!
って言っても1日しか休んでないけど!」
さつきにもデコぴんされた。
謝るしかないよ、これには・・・
さつきは、昨日もずっと一生懸命仕事してたんだしね
『ごめん、さつき』
【桃井】
「えっ、あ、いや、あやまっ、謝ってなんて言ってないよ!」
異常なほどにオドオドしている。
変なこと言ったかな?
『? ───ふげっ!!!?』
すると、いきなり横から手が伸びてきて緑間がハンカチを押し当ててきた。
いきなりなんだね!
【緑間】
「涙腺緩みすぎなのだよ。」
『え・・・?』
触ってみると濡れてる・・・?
ないてる?
『あれー?』
【青峰】
「あ!? キャプテーン! 緑間がはち泣かしてるー!」
『え、あ、いやちょっと!』
【緑間】
「勝手なことを言うな!」
体育館に入ってきたにじむーを見つけて、ドキンと心臓が跳ねる。
これは、ドキドキしてる?
それとも、怖いだけ?
【虹村】
「・・・そうか。あんま女子泣かせんなよー。」
・・・・・・。
【青峰】
「・・・・・・え?それだけ?」
【虹村】
「それだけも何もねーだろ・・・
おら、早く始めんぞ。」
呆れたように笑うにじむー。
態度は変わらないままだけど、やはり言葉はどこか冷たかった。
・・・そりゃそうか
【桃井】
「あっはい!
じゃあはちちゃん!部室の掃除、よろしくね!」
『・・・あ、うん』
やばいやばい。反応遅れた。
でもそれを誰も気にかけていないようで。
一安心。
先輩から逃げたわたしは、やっぱり眼中にないか。
それでも、さつきにいろいろ頼む光景を見て胸が苦しくなった。