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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第34章 平行




私のお父さんは、無愛想な人だった

お母さんが亡くなってから、それはさらに。




《おとーさん! なにしてるの?》


《・・・・・・仕事だ》



みたいな感じ。

必要なこと以外は話さない人だった



でも、ただ単に無愛想な訳ではなくて。

とても、とーっても優しかった。



《おとーさん! 雨!》


いつの日か私がそう言ったとき、お父さんは外に走り出していた。

ついていくと、庭の植え込みに猫が座っていて。


ずぶ濡れになりながら、震えていた。



そんな猫を抱きかかえていたお父さんを見上げたとき、私はなんだかとても嬉しくなった



それでお父さんに抱きついたとき、優しく頭を撫でてくれて。


それがとても、大好きだった。















と、わたしが覚えているのはここまで



でも、先輩はその他のことを知っていて。


全く違う方向からぶっ刺された感覚がした






《お前の父さんは、病気で亡くなった。

その日から、お前は何かおかしくなっていったんだ》




半透明になっていくカラダ。
光が消えた瞳。
えがおが消えていく。


そんな姿を、必死で、ずっとずっと、見守って守ってくれたのは、先輩だった



覚えてる、わかってるよ。




いつもいつも、部屋でずっと過ごして、暗くなるまで遊んで、時には喧嘩もして。


そして結局、折れるのは私の方で。




そんな風にして遊んできた毎日は、確かに残っていた

心の片隅に、根強く残っていた




《・・・俺はその時、どうすればいいのか分からなかった。ガキだったしな。

・・・でも、間違ってた》



俺が悩んでる場合じゃなかった、と、確かに、そういった。




《お前がいちばん怖かったんだよな

ごめん。》




涙、ナミダ、なみだ。


両目から溢れる粒たちは、少しずつ浸透していく




《そんでさ、おれ、わかったんだよ》





続きが欲しい。

早く、聞きたい。




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