第34章 平行
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わたしたちは、平行線上にいる
だから、交わることも、出逢うこともなかった
はずなのに。
『・・・・・・』
──ブーッブーッ
この電話をとれば、私たちはまた交差してしまう
お互いの気持ちを再確認して、捨てることができなくなってしまう
《にじむー》
こんなヘンテコなアダ名、誰だろう?ってフリをすればよかったんだろうか
でも、わたしには無理なのかも
他のみんなと、わたしは違うから
やっぱり、どこか違うから
『・・・・・・はい』
《・・・・・・はちか》
確認するくらいなら、電話してこないで欲しい
その反面、やはりどこか浮かれている
ダメ
これが綺麗に切り取れる感情だったら、よかったのに
《・・・赤司にさっき会った。
しばらく、帰ってこねぇのか》
『・・・』
なにも、言えない
目が見れないなんて、わたしの心をズタズタにしたのはそっちなのに
《・・・お前がもう戻ってこないなら、》
ぐるぐる回る感情が、たった一声で止まる
笑ってしまうほどに、反応してしまった
《俺の知ってるお前の全部を話す》
わたしたちは平行線上にいる。
だから交わることなんてなかったのに。
出逢うことなんてなかったのに。
なのにわたしは、未だに彼に惹かれてる。