第34章 平行
朝。
わたしは、裸のままスヤスヤと寝ている彼を見ていた
当たり前だ、一夜を過ごしたんだから
・・・ごめんなさい
ポタポタと、雫が落ちる
自分はまだ涙が流せるんだと、知った
・・・ごめんなさい、赤司くん
わたしは・・・あなたの気持ちを利用してしまった
最悪な女だ・・・
もういっそ、このまま死んでもいいくらい
でもこの部屋を自殺の現場にするわけにはいかないから、やめとく
ごめんなさい、ごめんなさい
・・・それで済んだら、警察は本当に要らないんだろう
でも、今のわたしにはこれしか術が残っていなかった
腰に走る痛みが、現実を知る唯一の手がかり
ごめんなさい、ごめんなさい
ごめんなさい、ごめんなさい
『・・・めん、なさい・・・っ』
被害者面して、彼を傷つけた
わたしは、とんだ犯罪者だ
この世の法では成敗できないほどの、犯罪者だ
だけど、だけどね
これからは、あなたにこの心を捧げます
そっと、キスする
『・・・ん・・・・・・・んむっ!?』
【赤司】
「・・・寝込みを襲うとは大胆だな」
突如、頬を掴まれキスを続けられる
『い、いやそれは・・・』
【赤司】
「・・・まぁいいよ。
・・・じゃあ、続きしようか」
わたしはもう、恥ずかしがったりしない
拒否したりもしない
あなたを受け入れて、愛でると決めた
あなたも、わたしを受け入れてくれたから
昨日の夜、最中にこの目を『綺麗』と言ってくれたから
わたしはあなたに、全てを捧げます