第31章 黒の憂鬱
「・・・──はち、さん・・・?」
『っ・・・ぅっ・・・』
視界が滲む
泣いているんだと、気がついた
黒子くんの前で泣くなんて・・・みっともない
泣き止め、わたし
泣き止んで
泣き止んでくんせ
泣き止んであそばせ
・・・ふざけてみても、止まる気配はない
『ごめっごめんね黒子くん・・・
わたし・・・』
みんなの未来、見えるの
つまらないよね
いっそのこと、なにも知らない方がよかったのに
『みんなのこと・・・っ
なにも知らないで、来てれば・・・っ
ぅ・・・ごめん・・・っ』
いつのまにか、虹が・・・浮かんでる
にじむー、みたいで、みたいじゃない
先輩は、あんなに不確かなものじゃなくて・・・
芯が太くて、負けず嫌いで、かっこよくて、
・・・会いたい