第30章 紫のお菓子
その日は、雨だった
「はちちん~、お菓子食いたい~」
『えー・・・
ま、いっか! よし買おう』
「いえーい」
ザーザーじゃなくて、しとしと雨
こういう日って、湿気すごいから嫌なんだよね
いやいや、髪の毛がとかじゃなくて、気持ちの問題ね
JKじゃあるまいし←
そんな乙女な心、私にはないから(笑)
「・・・はちちーん?」
『っうわ!!!! な、なに!?』
後ろから覗き込まれ、危うくカゴを落とすところだった
ビックリさせないでよもー
「? はちちんがボーッとしてるから~」
『あ、え、あ、ごめん』
確かにボーッとし過ぎた
雨の日ってこういうの多いよね
「・・・持つ」
『・・・・・・・え?』
すっと、横からカゴが取られる
・・・・・・ん?
『・・・え? 紫原?』
「なにー」
思わず横顔を見上げると、ほんのり赤くなっていた
・・・萌えた
『ありがとう紫原! 大好き!』
「俺もー」
んーかわいいなー紫原くん
でもひとつだけ言わせてね
どさくさに紛れてお菓子買いすぎキミ
『もー部費の問題もあるんだから余計なもの買わないでよー』
「余計なものじゃねーしー
お菓子ないと力出ねーしー」
あ、そっか
そういう子だったね君は
そういうところも可愛いけど!←
『よし! さっさと赤司くん探して学校戻ろう!』
「赤ちんどこ~」
『・・・・・・・・どこ行きそう?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・お酒」
『いやそれ犯罪だからー』
まー確かにそんな感じするけども!
『どこだろー赤司くんー』
「やっぱお酒か飲み物のとこじゃない~?」
『だよねー、赤司くんが野菜売り場いたらギックリ腰だわ私』