第28章 青の心
『────え? 青峰が・・・!?』
《そうなのはちちゃん!
一緒に行こーよー♪》
夜遅くさつきちゃんから電話が掛かってきた。
時刻は12時。先輩は熟睡だ。
『ちょっと待ってて。部屋出るから』
《? うん》
熟睡している先輩の部屋の中で長電話(かもしれない)をするわけにはいかない。
階段の電気をつけて、その一段に座り込んだ。
『よし、オッケーだよ。
・・・んで、もう一回言ってくれる?』
《大ちゃんが遊園地行こうって!
お昼代とかは払うから丸一日!》
・・・金持ちだな青峰。
まぁ、飾る用にバッシュ買うような奴だし。お金あり余ってるのかな。
『でも試合近いし無理なんじゃ・・・休み無さそうだよ?』
《来週の土曜日は休みになってるの。
先生達の飲み会の翌日だからって》
『・・・・・・・。』
・・・二日酔いになるまで飲む気なんだな
額に手を当てて、まずは頭を整理する。
行きたくない訳じゃないんだけど・・・
なんか企んでそうで怖いな。青峰だし
《・・・行きたく、ない?》
今まさに考えていたことを訊かれて、内心焦りまくってる。
さつきちゃんを困らせる訳にはいかないし。
『ううん、行きたいよ! 何時?』
《やった! あとみどりんとかきーちゃんとかも来るんだけどね、駅前に・・・》
なんと。キセキの世代みんな来んのかい。
結構な人数じゃない?
・・・・・・7? 8? 多くね?
《あ、でもね、きーちゃんは仕事あるから午前だけで、赤司くんは・・・・なんかあるって言ってたから午後から!》
『・・・仕事かい』
デルモか。デルモの仕事か。
赤司くんはなんだよ、なんか怖いよ?
《・・・じゃあ、この時間にね!
ありがとうはちちゃん!》
『うん、じゃ《あ、それと!》・・・?』
1拍置いて、柔らかな声が響く。
《───さつきでいいよ。はちちゃん》
『───・・・さ、つき? 呼び捨てでいいの?』
それは突然だった。
なんだか、あの『桃井さつき』という人物に認められた気がして、この上ない高揚感があった。
嬉しい、嬉しすぎるよ