第28章 青の心
人の気持ちって、どんだけ残酷になれば気が済むんだろうな。
帰り道、キャプテンとはちが仲良く(?)帰っているところを目撃してしまった。
・・・いや。知ってたけどな。
つーか、バスケ部の奴等なら知らねぇやつはいない。
でもなあ・・・間近で目撃したらしたでなんか気分わりぃ。
「・・・チッ」
【桃井】
「ん? 大ちゃんどうかした?」
「・・・あ、さつきか。つーか居たのか」
【桃井】
「うわひどっ! もーいいよ!
心配して損した!!」
ぷんすかぷんすかとキレながら先を歩いていったさつきだが、今の俺はそれどころじゃなかった。
・・・なぁ、はち。
あ、ついでにさつき。
・・・乙女心ってやつ、難しいんだな。
改めて知ったわ。
俺、乙女座なのに全然わかんねぇ。
・・・・関係ないよな?関係ないって信じたい。
昔からさつきに「大ちゃん、乙女座のくせに全然気持ちわかってくれないよね!」って言われ続けた。
・・・それをずっと理由にして来て早数年。
関係ないってことを、証明するわ。
「・・・おい、さつき」
【桃井】
「ん?」
「・・・───ちょっと付き合え」