第27章 黄の心
「・・・はぁ」
『え?どした?
・・・もしかして呼び捨てはやっぱ嫌だった?』
「そんなわけないッスよ!
───・・・その、逆・・・」
理性とか、もーどうでもいい
本能が、疼いてる
ぎゅっと腕の中に閉じ込めて、力を込めた。
『・・・どうしたの?』
「・・・そんな顔で、笑わないで欲しい、ッス・・・。
諦めたくても、諦められないんスよ・・・っ」
神様。
この恋が届かないと知っているなら、教えて欲しい。
未来は、何も知らない方が残酷なときだってあるんだ。
すべて知ったって、残酷なときもあるけど
俺のこの気持ちは、どこにも届かない。
少しずつ消えていって、また何もないかのようになるのだろう
それが、今は辛いんだ
忘れたくない、
諦めたくない、
結ばれてみたい
でも、叶わぬ願い
こんな気持ちを知ってしまったのは、損だったかもな
でもきっと、はちっちに出逢えなかった方が損だったかも
失恋だって分かっていても、この想いはちゃんと輝いてる。
まだ、消えてない。
だから、
大切に包んでおこう。
忘れぬように・・・───
「───好き」