第27章 黄の心
直後、花火が上がった。
黄色とピンクに煌めく花火は、今日のはちっちみたいだ
その瞳に映る花火も、俺も、儚く脆い。
残酷なものも、綺麗に浄化されて映ってしまうんだろう
綺麗なものしか映さない目。
綺麗なものしか映らない目。
それが、目の前のキミの目なんだ。
『────涼太』
ああ
声がする
安心する、透き通った声
大好きな声
「・・・なんスか?」
『────ちゃんと、聞いててほしい』
未来は知らない方が残酷なときだってある
そう言った。
それと同時に、
『知っていたって残酷なときもあるけど』
とも思った。
どうやらそれは、当たっているらしい
『──・・・私、みんなの未来が、分かるの』