第27章 黄の心
───黄瀬side─────────┐
今日は張り切って浴衣ッス!
まぁ、夏祭りの時も着たッスけど
なんと、花火大会のことを知っているのははちっちと俺だけみたいで、誰も話題に出してこなかった。
めんどくさいだけかもだけど
はちっち何柄の浴衣かなー?
なんか妙にワクワクす───
『───ごめん!お待たせ!』
・・・・
・・・・あれ?
『あれ?涼太くん浴衣なんだー!』
・・・なんで!?
「──なんではちっち浴衣じゃないんスか!?」
『・・・・・・・・・え?』
「え?じゃないッスよー!ふつーは浴衣着てくるっしょ?」
『・・・あー、ごめん。浴衣なくてさ』
一気に捲し立てたのに驚いたのか、少し後退りながら視線を泳がしている。
・・・なーんだ。そーゆーこと。
「そういうことなら任せてほしいッス!
だてにモデルやってる訳じゃないッスからね」
『あ、そうなんだ』
「そうなんだってなに!?」
・
・
・
「この色なんてどースか?」
『なんか派手じゃない?』
「ぜーんぜん派手じゃないッスよ!
これくらいがいい感じッス!」
近所の浴衣レンタルのお店に直行!
俺だけ浴衣とかそんなの許されないッスよ!
『じゃあ、これにしようかな』
「ほんとッスか!? じゃあ早速着てみるッスよ!」
はちっちが選んだのは、黄色とピンクのストライプ系。
爽やかな感じでオススメしたやつだから、ちょっと嬉しい
ちなみに俺は夏祭りと同じペンギン柄!
急だったからこれしかなかったんスよね
『・・・こ、これでどうでしょうか・・・師匠!』
「ぅえ? 師匠?
・・・なんだかよく分かんないッスけど、お似合いッスよ!可愛いッス!」
『可愛くない!断じてない!』
はちっちが可愛くなかったら世の中の女子どうなるんスか!
・・・心の中で叫んでも仕方ないッスね