第27章 黄の心
───花火大会、当日。
先輩には気づかれないようにそっと家を出た。
・・・なんか、悪いことしてるみたいで罪悪感が・・・。
無論、浴衣なんていうモノは持っていない。
なので、財布と携帯だけもって家を出た。
LINEを確認すると、涼太くんからメッセージが。
《今家出たッス! 気を付けて来るんスよ!》
とのこと。
ご気遣いありがとうございます。
日も暮れ欠けて、淡いオレンジが辺りを包んでいる。
青空に浮かぶような月も今は太陽に見せ場を譲り、見えてこない。
この色・・・涼太くんの色みたいだな・・・なんて思う。
あ、黄色っぽいからね
上を見ながら走ってたから転びそうになったけど、無事に神社まで辿り着いた。