第4章 どうにかしようか
───第3者side───
いつの間にか目を瞑って寝てしまっていたはちに、虹村は振り返った。
寝返りをうって眺めると、規則正しい呼吸音と、整った顔立ちが目立った。
【虹村】
(・・・俺は・・・)
心の奥底で、懐古の気持ちが増幅していった。
目の前にいるのは、初対面の女の子なんかじゃない。
ずっとずっと探し求めていた、大切な存在だった。
【虹村】
(・・・・・・三井、はち・・・か)
虹村が中学生に上がる前・・・それよりもっと前から、はちと一緒にいたような気持ち。
【虹村】
(俺にはまったく分からねぇな。
なんでお前に・・・こんな気持ちなのか)
スゥスゥと眠るはちに顔を寄せた。
気づく気配など微塵もない。
【虹村】
(・・・ファーストは可哀想だからな)
そして、その瞼に唇を合わせた。
【虹村】
(・・・俺は知ってたよ。
お前から名前を聞く前から・・・
・・・お前がはちだって)