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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第5章 どうにかできる


──────────┐


知らない夢を見た。


ひとりはわたし、もうひとりは知らない人。


『・・・あれ?虹村先輩は・・・?』



にじむーの家にいたはずなのに、この知らない空間はなんだ。


ちょっと膝が笑いだした。

足がガクガクする。



『に、虹村先輩・・・』



あの後ろ姿が見えないだけで、なぜだか寂しさと恐怖心が沸き上がる。



『せ、先輩!どこですか!』


声を振り絞っても、誰にも届かない。
届くはずがない。


目の前に立つ男女は、片方は自分のはずなのに違う次元の人間みたいだ。


『なんなの、これ・・・』




笑いだす膝を押さえて、振り向いた。

当然、なにもない。



《うわぁぁぁぁあん!》



!!!!!!?




悲鳴のような泣き声。


耳をつんざくような声に、笑っていた膝もおさまってしまった。



《おにいちゃ、いっちゃやだぁぁあ!!》



泣きべそ垂らしてる私らしき幼子に目が離せない。


その子の視線の先にいるのは、黒髪の美少年。


そのこの頭をがしがしと撫でて、あやしてるみたいだった。


《なんっでっ、いっちゃうのっ!》



その泣き声は見てるこっちまでもが泣きそうなるくらい悲惨なもので、思わず見入ってしまった。




そんな幼子の泣き声に混じって、大人びた声が届く。




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