第25章 赤の心 part 2
『・・・そして、涼太くんと揉めるようになってきた灰崎に、赤司くんは強制退部させる』
「!! ・・・そんな、」
こくりと頷く首。
『今のこの赤司くんからは考えられない言動だけど、この時から徐々に違う人格が顔を出してた』
なにやら、緑間がそう勘づいていたらしい。
鈍いようで勘が鋭いんだな、緑間。
ボードから灰色が消える。
退部させたということか
『・・・灰崎の退部理由は、他中の人達と喧嘩をしていたことによるもの。
・・・今は、心を入れ換えてくれてるといいけど』
大丈夫だ。最近、喧嘩沙汰の事件は聞いていない。
『・・・そして、赤司くんが本格的に主将になり、監督も復帰します』
【虹村】
「まじかよ!」
「!!」
虹村さんも目を輝かせている。
当たり前だな。
監督の指導は的確であって細かい。
よく行き届いている。
・・・だがキツい。
『それからチームの雰囲気がガラリと変わります』
ボードの上で、緑と紫が中央にやってくる。
緑間と紫原か。
『さらに、この頃から緑間とムッくんの調子がとてもよくなります。
・・・緑間なんかは、どこからスリーポイントを打ったって入るくらい』
【虹村】
「・・・そりゃすげぇな」
『いわゆる、才能開花の直前だったんでしょうね。
・・・そして、青峰も・・・、
青峰も才能開花し始めます』
拳を握りしめるはち。
さっきの一件が効いているのか
『周囲と頭ひとつ分抜けていたパワーが・・・超人レベルに。
もうだれも・・・止められないんです』
そこからの話は、壮絶だった。
強すぎるあまり練習をサボるようになる青峰。
調子のよかった紫原に挑発され、俺の別の人格が起動。
そこからすべてが崩れる。
帝光のチームプレーを否定し、勝利に必要なもの以外は要らないと言う。
そこからなにもかも───
監督が倒れ、もうだれも止められる人は居なくなった。
────俺が、原因だったのか
悲しいが、それを上回る怒りがある。
そんな理由で、みんなをバラバラにするもう一人の自分に。
・・・お前をなんとしてでも閉じ込めるよ