第25章 赤の心 part 2
「・・・はぁ・・・・・・そうだな。
止めよう。なんとしてでも」
『───うん!』
やはり、彼女には───はちにはどうも勝てないらしい。
勝つ術が見当たらない。
ふっ、こういう運命なのか・・・
こういうとき、どこからか妙な自信が沸いてくる。
これが、違う人格の俺だとしたら、九割五分は受け入れてやろう。
だが、みんなをバラバラにする権利を与えはしないよ、自分。
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【虹村】
「・・・んで、止めるっつったって、どうすんだよ」
『うーん・・・』
「・・・考えてなかったのか」
腕組をして、部室に集まる。
みんなを帰した後なので、俺を含めた3人しかいない。
いつもは作戦用に使っているボードを今回は特別に違う意味合いで使用。
キセキの世代、と呼ばれている俺達の髪色に合ったマグネットが置かれている。
幻の六人目、黒子の分も準備してある。
【虹村】
「んじゃまずは、はちが知ってる部分をとりあえず全部話せ」
『うぇ・・・長いですよ?』
【虹村】
「逆に短かったらそれこそ驚きだわ」
深い深いため息をついたあと、はちは観念したように指をあげた。
その先は───虹村さんだった。
【虹村】
「・・・・え? なに? 俺がなに?」
『最初の悲劇は、虹村さんにあるんですよ』
「・・・・どういうことだ?」
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『・・・先輩は原作では主将の座を赤司くんに譲っていました』
【虹村】
「!! それって・・・」
「・・・そうだったのか」
虹村さんの様子からして、本当のことなんだろう。
『んでもって、赤司くんは主将になります』
ボードの上の赤いマグネットが、中央に置かれる。
それ俺か
『・・・先輩の交代の理由は、』
【虹村】
「今はいいだろ。それより先進め」
『・・・はい』
なんだか誤魔化された気がするが、本人でも触れられたくない過去もあるだろう。
あまり深くは突っ込まないようにしよう