第23章 虹の心
『なっなっ、何してるんですか!
先輩のアホーーーー!!!!』
枕を顔面に投げつけた。
距離が近かったのと、咄嗟のことで制御できなかったのか、ボフッと顔面直撃。
でもでも!
今のは先輩が悪いーーー!!!!
【虹村】
「・・・・・・・てめぇ・・・」
『ひぃ・・・!? お、怒んないでくださいよ・・・!』
枕を退けた先輩の目は怒りに染まっていて。
でも今の私悪くないし!
『ちょ、ほんと、怒んなっ・・・!
・・・───っ!』
徐々に近づいてきた先輩の前に手を出して、止まるよう訴える。
だけど、止まってくれるはずもなくて。
その手さえも握られて、また心拍数が上がって。
もう私は、何もできなかった。
体に重みがかかり、後ろに倒れ込む。
【虹村】
「───・・・はち」
低くて安定感のある声。
こういう声、好きだなぁ・・・なんて。
【虹村】
「・・・キス、したい」
────え?
それって、つまり?
え? どういう状況よコレ
『・・・せんぱい・・・?』
【虹村】
「っあー! その前にちゃんと言わねぇとな」
『え?・・・』
真剣なその目が、私を捉えてる。
それにさえも、心臓がバクバクしている。
【虹村】
「───・・・俺、お前のことが好きだ」