第23章 虹の心
──虹村side──────────┐
はちが帰ってきてからの、はじめての朝。
俺はなぜか気合いが入っていて、いつもより30分も早く起床してしまった。
あいつの寝起きの悪さはユネスコ級だからな
一筋縄じゃ起きねぇこったぁ分かってるんだよ
そして、いつもより早く起こす。
「おら、起きろ!」
【はち】
『・・・ん、ぅい~・・・』
ほら、起きねぇよな、これだけじゃ。
分かってんだよ
「・・・遅刻してもしんねーからな」
意味わかんねぇことグダグダ言ってやがるから、もういいやと背を向けた。
・・・すると
【はち】
『・・・うー・・・にじむー・・・』
!!!?
いきなり、寝起きボイスとやらで名前(?)を呼ばれ、心臓が跳ね上がる。
寝起きボイスこのやろう・・・っ
むちゃくちゃガツンとくるな・・・!!
「・・・なんだよ・・・?」
はちに聞こえるか聞こえないかの声で呟く。
無論、はちが応答してくれる訳がなくて。
だけど俺は、無意識にあいつの元へと近づいていた。
くそ・・・好きって自覚すると、何もかもが可愛く思えてきてやんなるな。
特にこの唇とか・・・
・・・!? なに考えてんだ俺のアホ!
・・・でも・・・、
この唇に触れたいという衝動にかられる。
ダメだ、こんなことやっちゃ・・・
でも体は言うことをきかない。
ゆっくりとはちのその唇に重ねる瞬間・・・
【はち】
『・・・────きょぇぇぇえ!?』
・・・・・・・チッ